京瓦に京友禅の技術であるシルクスクリーン印刷を施したコースターです。これは瓦板に泥状の粘土をインクとして使用し、シルクスクリーン印刷を施し、様々な文様や絵を表面に描くことができデザイン性が強化されました。これは京瓦の品質の並と本ウスの技術を1面で表したものです。京瓦には元来水をはじく性質が必要であるのですが、コースターでは水を吸収する必要があり、相反することに挑戦しなければなりません。そこで珪藻土を混入し、いつものように焼成しましたが、失敗でした。次に焼成温度や焼成方法を変えることにより、水を吸収するコースターが完成しました。
釉薬は使わず、産地の違う粘土で図柄を表現しました。
価 格 / ¥4,400(税込)
サイズ / 約10cm×10cm×6mm
素 材 / 粘土
色 柄 / 色々
ロット / 1個
納 期 / 2か月
[注意事項]
一部変色することがあります。
こだわり
京瓦には大きく分けて3つの品質があります。「並」「磨き」「本ウス」です。それら3つは土つくりから違い、本ウスは口伝と作料(職人の1日のノルマを記した冊子)で伝えられてきました。今では幻の製法です。その製法の復元に取り掛かりました。本ウスの口伝は粘土を乾燥させ、粉砕して水の中で撹拌し、その上澄みを布袋に入れ、水分を取り、粘土として瓦を作り、その表面金箆で2度・裏面・側面を1度磨きます。磨き工程が多いほど表面の粗さが減少し光沢・明度が増加し、耐水性に関しては接触角が増加し、吸水率が減少した。今回は水簸(すいひ)ではなくポットミル機で粉砕し80メッシュの篩(ふるい)を通した粘土を使い、本ウスを再現しました。
浅田製瓦工場 浅田 晶久
燻瓦は日本建築の屋根に使用されてきた伝統的な屋根材です。
焼結の後に「いぶし」を行うことで黒色を呈します。燻瓦の中でも重厚さと優美さを併せ持つ「京瓦」は、品質・色・艶の点で古くより高級品とされ、寺社仏閣、数寄屋から一般の町屋まで幅広く普及していました。
高級品の要因は製造工程中の磨きによる表面の美しさが挙げられ、これは京瓦の代名詞とも言えます。
かつての京瓦の生産地として東山七條周辺の大仏地域と伏見区の深草地域が挙げられ、明治時代には十数件の窯元が軒を連ねていました。しかし現在では「京瓦」の伝統を受け継ぐ職人はほとんどおらず、京瓦を製造している事業所で窯が稼働しているのは浅田製瓦工場1件のみとなっています。
京都市伏見区舞台町5番地
https://www.kyogawara.com